獨(dú)弦琴はチン族の人たちが昔から使ってきた民間弾奏弦楽器であり、ルーツは鰾國(guó)（現(xiàn)在のミャンマー）である。8世紀(jì)頃に現(xiàn)在のミャンマー、ベトナムと東南アジア一帯でよく使われていた。最も早期の獨(dú)弦琴は詩(shī)吟の伴奏にしか使われなかったが、のちに民謡や歌と踴りの伴奏またはその他の楽器と合奏する（とりわけ洞簫〔タテにして吹く長(zhǎng)い笛〕とともによく演奏する）ように発展を遂げた。現(xiàn)在は獨(dú)奏の場(chǎng)合が多く、重奏に參加するか歌と踴りの伴奏に使ってもよい。民族楽隊(duì)の中で、獨(dú)弦琴は往々にして演奏にアクセントを付ける楽器として使われている。
獨(dú)弦琴は倍音演奏楽器であり、1本の弦で同時(shí)に二つの音を演奏することができ、それは獨(dú)特な演奏技法によるものである。獨(dú)弦琴はソフトで優(yōu)美な音色があり、表現(xiàn)力は極めて豊かで、さまざまな長(zhǎng)い敘情的なメロディーの表現(xiàn)に適し、ヤシの林、山川などの大自然の美しい景色を表現(xiàn)することもできれば、人々の想念と感情をあますところなく表現(xiàn)することもできる。
獨(dú)弦琴の構(gòu)造はかなり簡(jiǎn)単で、琴體（共鳴箱）、振り梃子、弦軸と弦からなっている。琴體の長(zhǎng)さは105センチ、多くは木製のもの（少數(shù)のものは竹製）であり、不規(guī)則な長(zhǎng)方形の箱である。右端は琴の頭であり、高さは8センチ、幅は12センチ。左端は琴の尾の部分であり、高さは6.5センチ、幅は8センチ。琴體は面板、底板と二つの側(cè)面板を接著して作り上げたもの。側(cè)面板はマホガニーまたは花りんなどの硬質(zhì)の木材で作り、面板と底板は桐の木または松の木の薄板を採(cǎi)用し、面板の表面はアーチ形を呈している。琴の先端に四角形の口があり、音を出す穴でもあれば、琴の弦を固定する役割も兼ねている。弦軸は木製または機(jī)械軸を採(cǎi)用し、琴の頭部の中に橫にして入れ、二つの側(cè)面板の間で固められ、回転柄が側(cè)面板の外に突き出ている。振り梃子はウシの角または竹で作ったもので、振り梃子の上部は弓狀を呈しているため、「弦弓」とも呼ばれている。振り梃子の下部は飾り物である底のない小さなひょうたんで貫き通し、ラッパ狀を呈している。振り梃子の下端は琴の尾の部分に垂直に差し込まれている。
獨(dú)弦琴は鋼線の弦を採(cǎi)用し、一端は弦軸の上に縛り付け、他の一端はひょうたんの口を通り抜けるようにして振り梃子の下部に締め付けられている。その小さなひょうたんは共鳴箱の役割を果たすものでもある。獨(dú)弦琴の頭部にこのようなひょうたんがあるため、ベトナムではひょうたん獨(dú)弦琴とも呼ばれている。現(xiàn)在、中國(guó)ではほとんど木材でそのひょうたんを作ることにしている。
「チャイナネット」2004年12月
